たそがれ

他人の時間を小作する者が

おのれに帰ろうとする

時刻だ。


他人の時間を耕す者が

おのれの時間の耕し方について

考えようとする

時刻だ。


荒れはてたおのれを

思い出す

時刻だ。


臍を噛む

時刻だ。


他人の時間を耕す者が

おのれの時間を耕さねばならぬと

心に思う

時刻だ。


そうして

納屋の隅の

光の失せた鍬を

思い出す

時刻だ。

 仕事が終わった後の開放感と、疲れながらも帰ってからの楽しみ(人間的な時間)を思い出す時間についてこれを読んで思う。しかし、その人間らしい時間を取り戻すのも大変だという事もこの詩から感じられて、そこにも共感する。