この本を読みかけていろいろ分かったことが多い。基礎的だが哲学史的に教えられることが非常に多かった。
なぜドイツにて哲学が発達したのか、それをルターの宗教改革から書き起こしている。
そこにはキリスト教会とキリスト教の違い、そもそもキリスト教は人間の精神を「神」肉体を「サタン」とした2元論であること。そのため、ローマ・カトリックでは政治的に「ローマ教皇」と「神聖ローマ帝国皇帝」との対立が矛盾として語られる。
マルクスが「ドイツ農民戦争」について書いているがそれの精神的な要因の解明にも触れられている。
まだ第1章だが、2章にはスピノザとレッシングがテーマ、3章はいわゆるカントからヘーゲルへの「ドイツ古典哲学」の流れだ。
哲学史と認識論についての基礎的理解にこれほど良い本はないだろう。この本の続編がエンゲルスの「フォイエルバッハ論」だといってよいだろう。
もっと薦められ読まれるべき本だと思う。