「若者よマルクスを読もう」 ー20歳台の模索と情熱 ー 

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著者は、共に神戸女学院大学教授の「内田樹(うちだたつる)」さんと「石川康宏」さんです。
マルクスの著作を『共産党宣言』『ユダヤ人問題によせて』『へーゲル法哲学批判序文』『経済学・哲学草稿』『ドイツ・イデオロギー』と年代順に往復書簡という形でそれぞれの著作を若い世代への解説という意図を持って書かれた本です。

それぞれのサイトは、内田樹さん、石川康宏さんです。

思想的には異色のコンビと言ってもいいでしょうが、上記のブログを読んでみるとお互いに政治的思想的な立場の違いを認めながらも人間としてそれぞれ信頼されていることがよく分かることを過去にも何度か書かれています。

石川康宏さんは『慰安婦と出会った女子大生』と言う本を数年前に出されていて、タイトルも少しショッキングで興味半分に買って読んでみたのですが、これがまた単なる歴史書ではなく、「教育実践記録」として成功しているし、『慰安婦問題を単なる自己浄化に終わらせない』と言うことを石川ゼミの学生の生の体験も交えて大いに自分も学ぶところの多い本でした。

しかし、専門的な研究者には2人の文献が同じものを参照していない、出版社が違い訳者が違う為始めて読む読者にはかえって混乱するのではないか、と言う指摘もあります。

私も少し読んで見てこの本の対象者を高校生に置いているのには少し無理があるナーと思います、「必然性」と言う言葉が説明もなく出てきたり、、、

しかし異なる立場の研究者の現代の「マルクス」についての意見交換は貴重な知的作業になるし今後こういう仕事が増えてくるのではないかという漠然とした予感がします。

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