読書

座標軸

P1010241しばらく休んでいる間にずいぶん座標軸が右にずれたものだ。

過日の震災の影響で地殻がやはりずれたんだろうかとでも言いたくなってしまう程。

ヘーゲル「小論理学」は予備概念がも少しで終わりそうなところ。遅々として進まない(^_^;)

P1010245自分の中では「小論理学」を読んで次に「聖家族」を読んで次は「へーゲル法哲学批判序説」を読んでと、プランばかり進んで実態がついて行っていない空虚な思考といったところか。

 

座標軸と書いて関係ないことを書いてしまった、ヘーゲルが尺度について精神現象学で言ってるのを思いだしたんだけれど上手く書けなかった、今年は海に行っていない。

明日(今日)は誕生日だ。

プロメテウス

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例によって暇つぶしにamazonを見ていると、「プロメテウス」が一括で売っているではないですか!

全16巻で850円也w

発売先が book_kohnanと書いてあるので調べると、扶桑町の江南古書センターでした。

早速雪の中車を走らせたのは言うまでもありません。

この本はちょうど大学を卒業するとしに特装版として新書サイズで箱入りで売られたもので、欲しくてたまらなかったけれど、卒業の為に学費を稼がねばならず泣くなく諦めた限定ものでした。

宣言やド・イデ、資本論へ進んで行く過程を本にした伝記ですね。

テスト勉強終わったら読破するんだい!!

あと、実は持っていて学費に消えて売られて行ったもので「グラムシ選集」
これも探してみよう、待ってろよー(^_-)

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久しぶりに感動

昨日今日と久しぶりに連休。

気になっている試験勉強をアリバイ的に午前中やっていた。

昼飯を食べながら「新婚さんいらっしゃい」を見ていた、家族たちは「たかじんの…」とかいう政治ワイドショー番組を見ているから「そんなもの新自由主義の提灯番組だ」と思っている自分はそそくさとその場を逃げ出す。

午後からは読書、「おれたちの青空」佐川光晴、続きを読む。

女手一つで児童養護施設「魴鮄舎」を運営している女性と中学生が主人公で、その親や関わりのある人たちを描いている。

舞台は北海道、父が犯罪を犯し家族がバラバラになり東大進学率TOPの学校から来た子、見知らぬ男にレイプされて生まれ産んだ母から里子に出されそこで父が死に母から虐待を受けて来た子。
魴鮄舎の運営者の恵子。その人も男に裏切られ成り行きでここで施設からはみ出た子を受け入れている。

しんぶん赤旗の書評に出ていたのを読んで買おうと思った本。

レイプされて生まれた子が痛々しい、入所先の児童養護施設でさえそれをねたに指導員から虐められる。学校では言わずもがなである。

フィクションだろうが、小学校の学級崩壊の話も酷い。
運動会の騎馬戦・棒倒しで負けた担任のクラスが翌日から崩壊していく。親が担任の悪口を言ったため生徒がいうことを聞かない。

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これからもう一回頑張り直そうとクラスに言う担任、生徒無視。見兼ねた養護施設の子がクラスに向けてちゃんと勉強したいと言う。孤児であることを揶揄され、やるせない怒りの子が先生に助けを求めると、なんと「あなたのせいでまたダメになったじゃない、よけいなことをしないでよ」と担任に言われる。そして同じクラスの施設の子と「魴鮄舎」に学校から逃げてくる。

レイプされて生まれた子、身長はいくつか、と養護施設の指導員に聞かれ171と答えると「いいなあでかくて、まだ伸びそうだ。きっと、そいつもでかかったんじゃないのか。おまえのおふくろの部屋にしのびこんだやつもな」と。

まだまだエピソードはあるのだが、北海道大学の学生も出てくる。脇役ながら子どもの成長を結果的に後押しするようで面白い、北大には恵迪寮という寮が本当にあるのかと思って調べたら、ホームページもありました。

帯にある「内なる自立」を問いかける、という言葉も深い。

あ、まだ最後まで読んでいなかった(^_-)

続きを読むのが密かに楽しい、久しぶりに本を読む楽しさを教えてくれる本に出会えて幸せである。

[読書]現代の地域福祉と障害者の発達保障

表題の本、久しぶりに良い本だった。

筆者の一人、埼玉大学准教授 宗澤忠雄さんは実は私の大学時のサークルの先輩である。

講演をまとめたものだが、読んで分かったのだが、娘さんが四ヶ月の時に奥さんが亡くなられたとのこと。学生の頃付き合っていた人と結婚したとすると、なおさらショックなんだが、未確認。

彼には大変お世話になった、大学を留年していた時、少し精神的に参ってしまった時があり、彼に相談所を紹介してもらい、そこから当時まだ数少ない、クリニックに受診でき、卒業、就職と現在あるのも先輩のおかげである。

父子家庭と大学教員、これだけで生活がどうであったか、いたずらに年を重ねてきた自分でも大変さが実感を伴ってわかる。

ブログも書いて見える、後でリンクを貼ります。

日常に埋没していた自分に、また頭を上げる元気を頂いた。

タロー、ありがとう。

(タローは後輩の僕たちが呼んでいたニックネーム)

 

追記;リンク。宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」

 

[読書]仕事で燃えつきないために

「仕事で燃えつきないために」対人援助職のメンタルヘルスケア 水澤都加佐

を読んでいる。

1 なぜ援助職にメンタルヘルスケアが必要か

2 こんな症状がはじまったら

3 「もえつき」のプロセスをとらえる

4 何が原因なのか?

5 回復とセルフケア

6 援助職として必要なこと

読みながら、セルフケア中。
今2章に。

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読書の進行に伴う追記

メモ: でも考えて下さい。援助職は、感謝と賞賛と評価で自分を満たさなければならない、自分の空虚感があるということなのです。
空虚感を何かで満たそうとすることは、たとえばアルコール、あるいはギャンブル、恋愛で満たすことと同じなのです。
医師は聞きました、「では、あなたはだれですか?」
「私は、カウンセラーです」
「それはあなたの仕事でしょう?あなたはだれですか?」
「あなたがカウンセラーという援助職を続けたいなら、まず、自分の援助をしなくては。人の為に働くなら、まず自分のケアをしてください」

小さい時から、両親のアルコールの問題を見て育ったので、スコットは共依存に陥ったのです。
共依存とは、長いこと周囲に焦点を当てて生きてきたために、自分の感情やニーズに焦点を当てることができなくなっているということです。そして、自分の事を優先するのに罪悪感を感じてしまいます。

若マル読了。

『若者よマルクスを読もう』 内田樹・石川康宏。をようやく読み終えました。

最後は「ドイツ・イデオロギー」で終わります、その後はⅡ巻目を予定しているとも書かれていましたが。

最後のドイツイデオロギーのところと、「経哲手稿」のところの内田さんの読みが面白かったです。

おおざっぱにまとめて言うと

1,人は悪人だろうが何だろうがその人が何をやったかでその人の評価(?)が決まる。

2.人間の全面発達に関わっての発言で、『朝に狩猟し、夕べに家畜の世話をし、夕食後に批判をすることが可能になりしかも、けっして猟師、漁夫、牧夫、批判家にならなくて良いのである、、、、(略)、僕自身は、同時に「おじさん」であり、「おばさん」であり、「少年」であり、また「少女」でもありうるような人間の多様性を市民的成熟の一つの基準と見なしているのですけれど、このへんてこな市民論も、今にして思うとマルクスのこのフレーズからの影響ぬきにはありえないものだなと思います。』

同書229p ~ 230p

そしてかれは『ですから・・このフレーズは高校生たちが読む時は「分業なき社会」というような大上段に構えた政治的ビジョンとしてでなく、「好きなことをどんどんやっていいんだよ」と、「一つの職種に居着かない方がいいよ」という「智者の言葉」として素直に読んでも少しもかまわないのではないかと思っています。だって僕自身(内田さんの事です)の40年を越える「仕事」の経験が教える経験則とまったく同じだからです。』  同書230P

「人間の多様性」についての例が面白いですね、なんとなく普段思っていることを言葉で整理しているところ、そしてその内容に全面的に賛成はしないですが(以前の知識と葛藤もあるので)、しかし共感している自分もいて、日本新書大賞をとる人の文章にさすがだなーと、素直に思いました。