41XBABBB11L._SL500_AA300_現在ちょうど真ん中あたり。

ハンナ・アーレント、自分も映画にでもならなければ素通りしていたひとであろう。彼女は「政治」の復権を訴えているそしてそこにはマルクスにはない自由な発想がある。

ハーバーマスが彼の著書の中で「ハンナ・アーレントに資本主義は現れない」と書いたそうだ。マルクスと違い20世紀の中頃過ぎまでしかもアメリカで暮らしていたため「大衆消費社会」などマルクスの知り得ないことを多く知っていたがーもちろんスターリンについてもー彼女の見ていたのは資本主義の中で比較的良い餌を与えられている労働者であり、生産関係については全く触れないと本の中で批判されている。

20100724175804アーレントの本も読んでみたい。なんて言うか、自身が所属している組織全体が向かっている方向に対して間違っているときに「No!」と毅然と言う人が彼女のような気がする。これは僕の中でのイメージでしかないけれども。

かなり肯定的な評価としっかりした批判が書かれていて購入して良かった本の一つになりそう。後半最後は「サルトルとアーレントーテロリズム論を媒介に」だそうで、興味は尽きない。