久しぶりに感動

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昨日今日と久しぶりに連休。

気になっている試験勉強をアリバイ的に午前中やっていた。

昼飯を食べながら「新婚さんいらっしゃい」を見ていた、家族たちは「たかじんの…」とかいう政治ワイドショー番組を見ているから「そんなもの新自由主義の提灯番組だ」と思っている自分はそそくさとその場を逃げ出す。

午後からは読書、「おれたちの青空」佐川光晴、続きを読む。

女手一つで児童養護施設「魴鮄舎」を運営している女性と中学生が主人公で、その親や関わりのある人たちを描いている。

舞台は北海道、父が犯罪を犯し家族がバラバラになり東大進学率TOPの学校から来た子、見知らぬ男にレイプされて生まれ産んだ母から里子に出されそこで父が死に母から虐待を受けて来た子。
魴鮄舎の運営者の恵子。その人も男に裏切られ成り行きでここで施設からはみ出た子を受け入れている。

しんぶん赤旗の書評に出ていたのを読んで買おうと思った本。

レイプされて生まれた子が痛々しい、入所先の児童養護施設でさえそれをねたに指導員から虐められる。学校では言わずもがなである。

フィクションだろうが、小学校の学級崩壊の話も酷い。
運動会の騎馬戦・棒倒しで負けた担任のクラスが翌日から崩壊していく。親が担任の悪口を言ったため生徒がいうことを聞かない。

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これからもう一回頑張り直そうとクラスに言う担任、生徒無視。見兼ねた養護施設の子がクラスに向けてちゃんと勉強したいと言う。孤児であることを揶揄され、やるせない怒りの子が先生に助けを求めると、なんと「あなたのせいでまたダメになったじゃない、よけいなことをしないでよ」と担任に言われる。そして同じクラスの施設の子と「魴鮄舎」に学校から逃げてくる。

レイプされて生まれた子、身長はいくつか、と養護施設の指導員に聞かれ171と答えると「いいなあでかくて、まだ伸びそうだ。きっと、そいつもでかかったんじゃないのか。おまえのおふくろの部屋にしのびこんだやつもな」と。

まだまだエピソードはあるのだが、北海道大学の学生も出てくる。脇役ながら子どもの成長を結果的に後押しするようで面白い、北大には恵迪寮という寮が本当にあるのかと思って調べたら、ホームページもありました。

帯にある「内なる自立」を問いかける、という言葉も深い。

あ、まだ最後まで読んでいなかった(^_-)

続きを読むのが密かに楽しい、久しぶりに本を読む楽しさを教えてくれる本に出会えて幸せである。

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コメント

  1. harikeen より:

    自分も読みたいな、と思っていた本でした。
    ブログの記事をみて是非とも読もうと決めました。

    北大恵迪寮は僕が青春を過ごした寮ですよ。
    今では、あのころの建物はなく、味気ない鉄筋の寮になってしまった。

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